キャスリンの唄は光のようだった。
聴く者を包み込み、あたたかく抱き締める様だった。
狭い室内に声が響いていた。キャスリンの声だった。
長椅子に座る者達は静かに聴き惚れ、じっとキャスリンを見ていた。
ガラスを通った柔らかな陽光が色を持ってキャスリンに降り注いでいた。
神を讃える詩が室内に響いた。キャスリンの唄は一層色彩をもって参列者に降り注いだ。
パイプオルガンが雄々しく身を震わせ、蝋燭の灯は祭壇を華やかに飾り立てた。
キャスリンの声は埃のようだった。
協会中に降りかかり、厚く積もる様だった。
ラブドワン
(愛された たった一人)